信州で就職して半年。
久々に実家のある大阪へ夏休みを利用して行っていた。
まあ、中の人は大阪出身だし…と思ったが、正直キツかったとだけ。
就職初年度の夏休み、流石に実家には顔出すか…ということで大阪を行程に含んだ旅行を組んだのだが。
正直いって、「大阪は俺の帰る場所じゃねえ」というのが率直な感想だった。
他に行ったのは糸魚川・山口・新潟。
敢えて一番良かったところを言うなら、糸魚川である。
そもそも身内が一人もいないのに、新潟や松本の方が落ち着けるのだ。
普通に考えると変な話である。
だが、個人的には仕方のないことでもある。
大阪には、良し悪し関係なく思い出が何一つない。
そして、大阪出身のくせに、大阪人のノリが苦手である。
むしろ、人柄という意味では信越エリアの方が親近感を持てるだけに、大阪へ「帰る」という概念がなくなってしまった。
どうせ代々の大阪人ではないのなら、大阪にしがみつく理由もない。
記憶も記録も失った今となっては、大阪にいたとしても居心地が悪くて仕方ないのである。
実家の間取りすらあやふやになるほど壊れた、大都会やベッドタウンでの記憶。
通った道の一つ一つが克明に残る、田舎の小都市での記憶。
どっちが自分にとってより良い場所か、考えるまでもなかった。
それに…単純に、自分にとって明確に好きな地域でもある町の方が、気分が楽なのは間違いない。
半年ぶりの大都会は、自分が地方へ出ていくことの正当性を更に強めるだけの結果となった。
もう大阪は、私の故郷ではない。
そう言い残して、信濃路への片道切符を通した。
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